森達也著『悪役レスラーは笑う』

悪役レスラーは笑う―「卑劣なジャップ」グレート東郷 (岩波新書 新赤版 (982))

アメリカプロレス界の大物であり、力道山と組んで日本プロレス黎明期の立役者ともなったスーパーヒール、グレート東郷。しかしその著名であることに反して、その出自や人柄には謎が多い。本書は森達也氏がグレート東郷の影を追いつつ、テレビ、ナショナリズム、そしてプロレスの深奥に迫るドキュメンタリー。

とここまで冷静に書いてみたがこの本はすごい。頭から一気読みした。これほどの勢いで本を読んだのは立花隆の『サル学の現在』以来か。とにかくプロレスファンならいわずもがな、プロレスのおもしろさを知らない人もこれを読めばプロレスファンがなぜプロレスファンなのかがわかるかもしれない。

まあとにかく読め話はそれからだ。またこれを読んでプロレスの底なし沼にもっとはまりたいと思った人には『ハルク・ホーガン自伝』もおすすめだ。

ハリウッド・ハルク・ホーガン―ハルク・ホーガン自伝