旧カミクズヒロイ

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どの HTML 使う?

HTML にはいくつかのバージョン(文書型)があり、その種類によって使用できる要素や属性に違いがあります。たとえば、ruby 要素は最新の XHTML 1.1 でしか使えませんし、逆に frame は XHTML 1.1 では廃止されたため使えません。また、XHTML 1.0 と HTML 4.01 の場合は、それぞれに Strict(厳密型)、Transitional(移行型)、Frameset(フレーム設定型)の三種類の副分類があり、それぞれで使える要素に違いがあります。現在公式に使用可能な HTML の主な種類を下の表に示します。

現行 HTML の種類
バージョン副分類勧告年
XHTML 1.1-2001年
XHTML 1.0Strict2000年
Transitional
Frameset
HTML 4.01Strict1999年
Transitional
Frameset
HTML 3.2-1997年

正式な HTML 文書を作るためには、まずこれらの中からどの HTML を使うかを選ばなければなりません。原則的には、最も新しいものを使えばよいのですが、次のような場合には最新でないものを検討することになります。

  • 古い環境との互換性を重視したい。
  • ホスティングサービスの自動挿入広告やアフィリエイトのタグが最新版で使えない形式になっている。
  • 最新版で廃止された要素や属性がどうしても必要。

また、HTML 4.01・XHTML 1.0 の中では、Strict が望ましく、Transitional、Frameset の順でそれに続きます。

したがって、XHTML 1.1 が最も望ましく、次に XHTML 1.0 Strict がよいということになります。しかし、将来性と互換性のバランスや、広告類のことを考えると、現状では HTML 4.01 か XHTML 1.0 の Transitional が無難ではあります。

なお、XHTML 1.0 は SGML に基づいていた HTML 4.01 を XML に基づく形に移行したもので、主な違いは XML の記法になるため一部の空要素タグの書き方が変わる(例:<br>が<br />になる)くらいで、内容的にはほとんど変わりません。XHTML 1.0 と XHTML 1.1 の違いも、Transitional と Frameset が無くなった(つまり、Strict に相当する部分のみになった)以外はほぼ同じですから、HTML 4.01 に基づく知識があれば XHTML 1.0・1.1 を理解することは簡単です。

そして、最新でない HTML を使う場合も、HTML の理念と進歩の方向性をとらえ、より適切な記述を行うことで、将来の新しい版への移行を容易にすることができます。