旧カミクズヒロイ

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ブラとおっぱいと下着ドロについて語ってみるよ

下着ドロと「一般的男性」

先日、「Aカップでも谷間ができるブラ」に関連する記事を取りあげたとき、その記事に対する印象と、同じ日に取りあげた下着ドロの記事に対する印象とが、頭の中でつながっていた。

FujiSankei Business i のカップの解説記事が読者として想定しているらしい、いわば「男性社会に属する一般的な男性」と、「農業男性方の軒下に干してあった女性用下着」を盗んだ下着ドロや、その他の下着ドロ一般には、何か重要な共通項があるのではないかと想像した。

他人の下着に手をかけるとき、下着ドロの脳裏には何があるのだろうか。おそらく、それは個別の事例によって様々であり、一概には言えないところもあるだろう。しかし、それと同時に、多くの下着ドロには共通した何かがあり、そしてそれは「男性社会に属する一般的な男性」にも共通する基礎的な何かではないかと想像してみたくなった。

下着ドロと下着の壁

「男性社会に属する一般的な男性」の児童時代において、彼の下着はたいてい母親が選び、買ってくるものであるという。その一方で、彼の母親はカタログをぱらぱらめくって、自分の下着を自分で選ぶ。彼はそれを横目に見ることはできるが、彼は「一般的な男児」であるためにそれをじっくり見ることは許されない。

また、買い物に行くと、彼方に「女性用下着売り場」が見える。しかし、その中に入って売り物を見ることはできない。そこには心理的な壁がある。

そして、彼と「女性用下着」は通せんぼであるが故に、彼の脳の中で「女性用下着」は観念的な存在になる。そこでは「女性用下着を身につけた生身の女性」は居ないか、または忘れられがちになる。こうした意識が、何らかの条件と結びついたとき、「男性社会に属する一般的な男性」は下着ドロになってしまうのではないかと疑ってみた。

カップとおっぱいの大小

ところで、私もフジサンケイの記者にならい、「男性社会に属する一般的な男性」を読者に想定し、ブラジャーとおっぱいについて補足の意味も込めて少々解説してみようと思う。

まず、件の記事には、多くの女性が気にかける、胸のサイズを示すカップ、という記述があるが、カップの値が示すのは乳房の大小ではなくあくまでもブラジャーのカップの規格である。その記事にもあるとおりカップは JIS L4006 で規定されている。日本工業規格は工業品の規格を定めているのであって、人間の規格を定めているのでないのは当たり前だ。

このカップというのは、単にトップバストとアンダーバストの差からのみ求められるものであって、AカップはBカップより必ず小さいというわけではない。また、同じカップに適合するおっぱいなら誰のおっぱいでも乳房の容積が同じというわけでもない。実際のおっぱいの大小を決めるものは、トップとアンダーの差だけではない。トップのサイズはもちろん、アンダーのサイズが意外と重要なのである。

この辺りについては、hirax.net さんのブラジャー・カップ解体新書や、たまごのねぐらさんの衝撃の事実!?に詳しい考察がある。参照して欲しい。

ブラジャーを買ってみよう

話題を下着ドロに戻す。

「男性社会に属する一般的な男性」と「女性用下着」の間にある「下着の壁」が、彼をして下着ドロに走らせる重要な因子になっているとすれば、それを取り除きたいと思う。すなわち、「一般的な男性」はブラに興味があるならやはりスーパーにでも行ってブラを買えばいいと思う。

ブラを買い慣れない男性がブラを買いやすいのは、大衆的なスーパーマーケットだ。それも、できるだけ夜遅くまで営業している店舗で、できるだけ閉店に近い時刻に行くといい。女性客の視線を避けやすい。売り場が広ければ広いほどよい。店員は職業人だから、別に心配する必要はない。

法の下の平等憲法が保証している。万人に開かれた小売店では、相当の対価を払えば、誰にでもブラジャーを買うことができるし、誰にでもその権利がある。憲法が、そして法の下の平等を守るよう絶えず働きかける国際的な法秩序が守ってくれるということを忘れてはいけない。

興味のために、必要もないものを買うのはおかしかないかって? 興味を満たすことは娯楽である。たいていの人間は鬱憤を晴らすために娯楽を必要とするものだ。娯楽のためにブラジャーを買うのは、娯楽のためにプレイステーションを買うのと本質的に何ら変わりない行為である。何も問題はないはずだ。

ブラジャーの種類や価格については、あらかじめ Web でざっと調べておくといい。店頭にいる時間を減らすことができる。それから、ブラを選ぶときにおどおどしてはいけない。そうした態度は店員からよくない注意を引いてしまう。

ブラジャーだけ買うのが恥ずかしければ、自分用の日常必要な衣類と一緒に買うといい。レジでは、普段買い物をするときと同じ態度で店員に接するだけだ。

ブラジャーを買って家に帰ったら、あとは眺めるなり、さするなり、着けるなり好きにすればいい。それは完全に合法的な行為であり、誰にも迷惑をかけることもない。ブラジャーがどういうものか、ブラを着けるというのはどういう感じなのかがわかれば、普段ブラの着用者に対して今までよりも人間として優しく接することができるだろう。