旧カミクズヒロイ

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ゲイの議員が女子トイレを使ってトランスジェンダーになる? その後

先日の asahi.com の問題記事『ゲイの議員の女子トイレ使用巡り大げんか 伊下院』について。

この記事の問題点を整理すると、第一には渦中のルクスリア議員が「ゲイの議員」であるとし、さらにそのあとの段落では「体と心の性が一致しないトランスジェンダー」としている用語の錯乱。第二には、Reuters UK の記事『Italy parliament fights over transgender MP toilet』と変に似ていること。

この記事についてジャーナリストの北丸雄二さんが『おいおい、朝日新聞よ』と『すっかりクレーマー』という二つのエントリで書いています。朝日新聞に問い合わせたそうです。これによると、朝日新聞広報部からは「議員自身がゲイだと公表しているから」そう記したのだという回答があったが、それはやはり裏が取れない、とのこと。

問題第二点については、北丸さんのエントリによると、この記事はロイター電の翻訳らしいのだが、そうだとすると原文は Reuters.co.uk に載っていた記事と同じものか。翻訳にしては構成が微妙に違うし、ロイターの配信であるという明示はない。同じ asahi.com でも文化・芸能のカテゴリにはよくロイターの配信記事が載っているが、ロイターの記事であることは明示されている。これは新聞社と通信社の間のどういう契約か、あるいは慣習に基づくものか、私にはまったく想像ができません。

しかし、翻訳だとしても、Ameba News がロイターの記事を割と素直に翻訳しているのを読めば分かるけど、「ゲイの議員」という表現を使う必要は全然ない。どうにも asahi.com の記事は盗作したのを隠すためにわざと語句の前後を入れ替えたりしてるうちに失敗した様に見えてしまう。十年前ならともかく今は Web で探せば原文と訳文の比較もできるので、翻訳する記者には質の悪い翻訳をしない様に読者の審査眼を意識してもらいたいが、やっぱり新聞の中の人は Web のことが分からない人が多いんでしょうか。

まぁあれだ、とにかく、読者をバカにするな(`・ω・´)シャキーン!