愛と宗教と民主政
ゲイジャパンニュースに『 マレーシア「同性愛者呼ばわりされた」として政治家が前首相を提訴』という記事が載っている。
マレーシアの野党政治家アンワル・イブラヒム氏が1月27日金曜日、前首相のマハティール・モハマド氏を名誉毀損で提訴した。アンワル氏はマハティール氏に同性愛者であると呼ばれたとして名誉毀損を訴え、昨年9月、謝罪を要求していた。
ということだが、真の問題点は、
マハティール氏は2003年10月に退陣。在職中の1998年、当時首相代行を務めていたアンワル氏と、政治腐敗や政策をめぐる対立が深まり、「アンワル氏は性的指向が役職にそぐわない。同性愛者閣僚など登用できない。同性愛者の国会議員など…誰も安全ではいられなくなる」と解任。アンワル氏は解任された後、金銭汚職とソドミー(反自然的性行為)の罪で逮捕され、15年の懲役を言い渡された。ソドミーの罪については無罪の主張が連邦裁で認められ、汚職の罪に対する服役は既に終えている。イスラム教国家であるマレーシアでは、同性愛行為は刑罰の対象。アンワル氏は、マハティール氏に対し、謝罪と2670万ドルを要求した。
このあたりか。つまり同性愛者であることで差別されたとか、同性愛者でないのにそう呼ばれたことが名誉毀損だとかいう水準の話ですらなく、イスラム教国であるマレーシア
では同性愛者呼ばわりがドロボウ呼ばわり同然か、あるいはそれ以下の罵りに使われるという話。そして首相職にある人がこういう発言をするということは、社会の中にある程度はそれを支持する意識があるということだろうか。
こういう問題は、思想・信条の自由が民主主義の保全に必要であり、政治と宗教の思想は別だという認識が市民一般に広く共有されるようにならなければ解消されないだろう。
一方、アメリカからは『米聖公会,次期主教に同性愛者を推薦』(クリスチャントゥデイ)という話題が聞こえてきた。
聖公会カリフォルニア教区で次期主教に同性愛の男女を推薦したことを受けて、世界アングリカンコミュニオン内における同性愛問題に対する議論が再び盛り上がってきた。
英国国教会新聞によると、カリフォルニア教区にはシアトル教区の同性愛聖職者、ロバート・テイラー牧師および、シカゴオールセイント教会同性愛聖職者ボニー・ペリー牧師が今年5月の主教候補に推薦された5名のうちに含まれているという。
2003年に米国聖公会がニューハンプシャー州の聖職者に同性愛者を選出したのを受けて以来、同性愛問題に対する議論は米国において高まっている。それ以来世界アングリカンコミュニオンはほぼ地理的に分裂しているという。つまり、アフリカ、アジア、ラテンアメリカの聖公会は保守的立場を取っているのに対し、北アメリカ、ヨーロッパにおいてはよりリベラルな考え方を受け入れている状況にあるという。
キリスト教の一部には進歩的な動きも見られるようだ。ところで、アングリカンって何?キリスト教っていろいろ分かれててよくわからないですね。ついでに、ソドミーって何?